東京ハードボイルド

インターネットを使い始めてからもうすでに20年以上の月日がたっていると考えるとなんだかぞっとする。

3年前に台北に行ったときのこと 第七章 台北歩き


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前回までのあらすじ
40歳になる前に海外旅行へ行ったことないおっさんが、台湾へ一人で行こうとしてパスポートを取ったりする。航空チケットやホテルの予約などに奔走し、ようやく空へ飛び立つ。台湾に到着後ホテルへ向かい、すぐに観光に出かける。まずは行天宮に向かって人の多さに圧倒される。その後、近くにある占い横丁へ向かい占いを堪能し、腹が減ったので夜市へ向かうことに。夜市では思った以上に食文化の違いにカルチャーショックを受け、結果日本食の定食屋で夕食を食べ、翌朝の朝食を買うためにコンビニへ向かう。無事に朝食をゲットして翌朝、ニニ八公園へ向かうことにしたが、雨で誰も公園にいない。国立博物館へ向かう。

第七章 台北歩き

台湾国立博物館

期待に胸膨らませ、おそらくFカップぐらいになっていたであろう。グラビアも辞さない構えである。ガイドブックで見たあのホワイトハウスを模倣したような白亜の建物。
そのきらびやかな眺めを今まさに堪能する。

 改装中!!ぬぅ!

グレーの布で覆われ外観は微塵も見えないではないか。
しかし、希望と噛んだ後のガムだけはそこらへんに捨ててはいけませんと教えられて育った私は、博物館の中に入るときっとすごいはずだと見越して入口へ向かった。
 
営業時間:午前9:30~
 
現在時刻は午前九時である。時間までもが私を苦しめる。
三十分待つにしても雨が降り、座るところも無く、時間が潰せそうな場所もない。見知らぬ街をウロウロするしかないのでウロウロしてみたのだが開いている店もなく、コンビニで時間をつぶそうかと考えたが、昨日のおでんのあの変な匂いがまた私を襲うのかと思うとそれもご遠慮したい。
 
そんな時に目にしたのがバス停である。私はバスを待つ人に交じってバスを待つふりをして三本のバスを乗りそうで乗らずに見送り不毛すぎる三十分をやり過ごしたのだ。なんというアイデアマン。
一体私はナニヲヤッテイルンダロウ。
ため息山王が赤坂見附けられないところまで到着する頃に全然関係ないことを思い出した。ホテルサンルートはフリーwifiだったからスマホでネットができたが、外ではネットがつながらない。これはどうにかしなくてはと言うことに気が付いた。それだけがこの不毛な三十分の収穫である。
 
時刻は9:28分。博物館の前に戻ってみるとおかしなことにすでに開いていた。博物館のくせにアバウトである。中に入ってみるとちゃんとした博物館となっており、エントランスのきらびやかさと厳かさに心のゆとりを取り戻すことができたのである。中世の洋館に中華提灯が並ぶと言う素っ頓狂な部分もあるが、台湾が日本統治下にできた建物だけあり、日本らしさが部分部分に存在していた。
受付でチケットを購入する。受付にいるのは結構きれいなおねえさんである。
 
「ニーハオマ、オトナヒトリ」
 
私がそう言うと物凄い勢いで何か言われたがさっぱりわからない私は
 
「ハウマッチ?」
 
と言うともぎりのおねえさんは少し呆れ顔で
 
「三十元」
 
と言ってお金を払うと物凄く笑顔で日本語版リーフレットを渡してくれた。台湾でツンデレを購入したくなったらここへ行くがよい。
 

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博物館は三階まで閲覧することができて中央に吹き抜けがあり、一階のメインの場所には何やらケダモノのはく製が置いてある。このケダモノはどうやら西表島のイリオモテヤマネコみたいな存在で台湾特有のケダモノらしい。チータ(水前寺清子ではない)とピューマとヒョウをミックスしたような、ネコ科の動物で、私は何故だかそれを結構長い時間眺めていた。なんとなく、そのケダモノを見ていてエグザイルのマキダイさんを思い出して、心の中で「ZIP」とつぶやいてみたりする。
 
一階を一通り見て二階へ上がった。二階は日本統治下の台湾のものなどが多く、政治色の強いフロアだ。李登輝氏のことなどは存じていただが、そういうのは金美齢氏がテレビで言っているのをたくさん見たのでじっくり見るほどではなかった。
私がこの博物館で見たいと思っていたものは三階にあった。ガイドブックに載っていてここへ行くならこれを見ようと思っていたものは児玉源太郎大将の銅像である。後藤新平と児玉源太郎に関しては台湾へ行くなら勉強しておいた方がいい。しかし、この旅行記はあくまで娯楽大全であるべきなので割愛する。
史論 児玉源太郎―明治日本を背負った男 (光人社NF文庫)

史論 児玉源太郎―明治日本を背負った男 (光人社NF文庫)

 

 博物館を堪能して外に出てみると雨はさらに多めに降っていた。雨宿りが裏目に出る時ほど時間の無駄を感じることはないが、その点に関しては博物館のクオリティの高さでクリアである。

 

国立博物館を後にした私は公園を歩きながら写真を撮っていた。
時刻は11:00を回ったところだった。ガイドブックに付属された地図を見てみると、右に行くと台湾総督府、左に行くと台北駅となる。私はスマホでwifiを使えるようになりたいと思っていた。ガイドブックを持ってウロウロしていると観光客丸出しなのでGOOGLEマップで地図を見るべきだと思ったからである。
ホテルの部屋にあったリーフレットに台北駅でフリーwifiの設定ができると書いていたので、台北駅へ向かうことにしようと思ったのだが、時間もまだあることだし総統府を見に行ってから台北駅へ行くことにした。
 
大きい道路の横の歩道をとぼとぼと歩く。走っている車が思った以上に多いことと原付バイクがとても多い。途中で野良犬を見た。日本ではめっきり見なくなった野良犬をこんなところで見かけることに少しだけ驚いた。15分すると右手に大きな建物が見えてきた。これが総統府のようだ。
 

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総統だけに相当すごいのかと思っていたが、ちょっとおしゃれな赤い国会議事堂と言った感じだ。大総統はホムンクルスなのだろうか。近づいてみると観光バスが大量に止まっている。雨の中たくさんの観光客が来ていたのだが、その観光客が凄いでかい声だった。台湾ですごいでかい声と言えば間違いなく本土中国からの観光客と相場は決まっている。
私は遠くから眺めるだけにして踵を返して台北駅へ向かった。

台北駅にて好待遇

電車に乗れば数分で着くところを雨の中歩いていく。20分ほど歩くとさっきまでいたニニ八公園を通り過ぎて少しだけ人が歩いている姿が増えてきた。駅が近いようである。街並みは日本語の看板がとても多い。カタカナで「カレー」とか「ラーメン」と書いていたり、日式食堂とか書いてあったりと日本人向けの商売はたくさんあった。何とも不思議な国である。
そんな景色を横目で見ていると先程の総統府と同等の巨大な建物が見えた。台北駅は巨大で古くてなんだかすごい建物なのである。意外と洋風の建造物だった。中に入るとメインホールがあり恐ろしいほどの広さだ。たくさんの人がいるはずなのにそんな感じがしないほどの広さの吹き抜け、天井から日の光が射していて明るい。広すぎてどこに何があるかわからない。東京駅や新宿駅と違う意味での複雑さが存在する。
 
台北駅に来たのは目的、フリーwifiの設定をするために私はインフォメーション的なカウンターへ向かった。カウンターにはカウンター嬢らしき女性が3名いた。私の前に中国人らしき男性が何やら話していたが、話がかみ合っていないのかカウンター嬢があっち行け的なジェスチャーで男性を追い払っていた。それを目の当たりにして怖気づきそうになったが、勇気を出して話した。
「フリーワイハイ?ディスイズカウンターセッティングオーケー?」
そう言った私にカウンター嬢の三人の顔色が急に明るくなり、そのうちの一人が満面の笑みで答えた。
 
「ニホジノヒトテスカ」
 
「あ、はい。日本人ですけど日本語でいいですか?」
 
そう応えると満面の笑みの女性は隣にいた二人も話しかけたそうにしているのを振り払い、私に話しかけてくる。
 
「パスポートモテマスカ?」
 
どうやら、彼女たちは日本人の対応をするとステイタスが上がるようで、競って日本人対応を欲している。私がパスポートを差し出すとペラペラ捲り、生年月日を近所の散髪屋のスタンプカードのようなものに書き記した。どうやら登録に使うらしい。
 
そして、パソコンに登録してIDをカードに書き記した。
 
「コレテトウロクデキマシタ。スグツカエマス」
 
と言って私にカードを差し出した。
私がその場でスマホを取り出して登録しようとすると
 
「ココデンパヨクナクテデスデエキデテシテクタサイ」
 
と言われ
 
「どうもシェイシェイございます、センキュウ」
 
と私もつられて変な言語を放ち、カウンターを後にした。
私が超色男と言うことを度外視したとしても日本人は台湾では好かれているようだ。ふりかえるとカウンターでは三人のカウンター嬢がまだキャッキャキャッキャと騒いでいた。すごく気分はいい。
駅を出てフリーwifiの設定をしたら見事にスマホでグーグルマップを見ることができた。そしてスマホを眺めながらあることに気が付いた。
やばい。
腹が減ったのである。
台湾の食事に対しての疑念が私を襲うが背に腹は代えられない上に清原はずいぶん変わったことは言うまでもない。私はふらふらと台湾の美味しいものを求めて歩き始めたのである。
 
つづく