東京ハードボイルド

インターネットを使い始めてからもうすでに20年以上の月日がたっていると考えるとなんだかぞっとする。

3年前に台北に行ったときのこと 第六章 そして二日目


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 これは3年前に台湾へ行ったことを電子書籍化した文章を、ブログ用に追記、校正したものである。全部で十三章になっている。
前回までのあらすじ
40歳になる前に海外旅行へ行ったことないおっさんが、台湾へ一人で行こうとしてパスポートを取ったりする。航空チケットやホテルの予約などに奔走し、ようやく空へ飛び立つ。台湾に到着後ホテルへ向かい、すぐに観光に出かける。まずは行天宮に向かって人の多さに圧倒される。その後、近くにある占い横丁へ向かい占いを堪能し、腹が減ったので夜市へ向かうことに。夜市では思った以上に食文化の違いにカルチャーショックを受け、結果日本食の定食屋で夕食を食べ、翌朝の朝食を買うためにコンビニへ向かう。

第六章 そして二日目

台北のファミリーマート

フロントで聞いたら歩いて3分ほどのところにファミリーマートがあるとのこと。ホテルを出て角を左に曲がり二分足らずでファミリーマートに辿り着いた。ピコピコピローン~ピロリロリー♪台湾でもあのメロディーなのだ。
店に入ると恐るべし状況が存在した。なんとカウンター前におでんのようなものが売っているのだが、そこからあの夜市と同じ匂いが立ち込めている。
くさっ。
しかし、明日の朝食の為に何かゲットしたいわけにはいかない。
呼吸を止めて一秒あなた真剣な目をしたから、そこから何も匂わなくなるの星屑論理ネス。足早に店内へ侵攻し、危険が少ない食品を血眼で探す。
眼に入ったカップヌードルとコカコーラを手にしてレジへ向かった。この二つの味なら心配はないはずである。万国共通であってくれ。
レジ前が一番危険であるがその関所を超えないと目的は果たされない。
  • 店員はいらっしゃいませとは言わない。
  • ただ淡々とスキャンして金額を言う。
  • 私はその金額をレジに置く。
  • 店員はレジを打って釣銭を渡す。
  • 私はそれを受け取りものを持って店を出る。
  • 台湾のコンビニにレジ袋と言う概念はない。
レジ袋は言えば有料で売ってくれるところもあるようだがレジ袋の概念すらない場所も多い。ガイドブックで見ていて知っていたからよかったものの知らなかったら少し戸惑っていたに違いない。手にカップヌードルとコーラを握りしめ、なんだか恥ずかしいので全力ダッシュでホテルに戻った。
飛行機で数時間の異国。とても似ているが非なる文化が存在することに、初めて触れた一日目の台湾旅行なのであった。雨は霧のようにまだ降り続いている。

ニニ八公園

二月の朝、午前八時。台湾も季節は冬なのだが、寒くもなく暑くもない。快適な気候である。
目が覚めるとそこは知らない天井だったが、逃げちゃだめだと言い聞かせなくても逃げることすらできない。右も左もわからない異国の街だからだ。エアコンをつけてテレビのリモコンを押したら画面に映し出されたのはNHK朝の連続ドラマ「ごちそうさん」である。
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妖怪人間だった女の人が出ているので間違いない。否だか杏だか番だかのサムライの娘だ。何故台湾で見ることができるのか。本当に海外に来たのか?それとも、ここは淡路島なのか?もしくはダッシュ島なのか。

 

もちろん、朝食は小粋に朝食ビュッフェと行きたいところだが、私ぐらいになるとそんなビュッフェも食べ飽きて一周回って質素な食事を好むようになる。
ホテルの部屋に設置してある湯沸かしポットでお湯を沸かし、日清カップヌードルをコカコーラで流し込む。近未来的朝食なのである。ありがたいことにいつも日本で食う味と同じだった。
こんなことではいけない。せっかくの海外旅行なのだ。
異国情緒を楽しまないとあの「知識のリサイクルブックセンターいとう」をはしごした日々が無駄になってしまうではないか。
なにかないのか!なにかないのか!
 
そうだ、太極拳だ。
 
ガイドブックを見ると朝早くニニ八和平公園と言うところで太極拳をやっている人がいたりするとのこと。初めて映画館で見た映画が劇場版北斗の拳だった私でなくても拳と名付けられたものは、男だったら見たくて当然である。すでに早朝ではないが小さな望みにかけて出かける支度をした。
 
ホテルを出ると昨日と同じグレーな空。しかも昨日よりも雨が多く降っていた。折り畳み傘をカバンに入れてそそくさと駅に向かった。
 
台湾は雨が多いがビルには必ず軒下があり、中心街は横断歩道の信号待ち以外では、歩いての移動で濡れることはあまりない。歩道も整備が行き届いていて放置自転車がほとんどなく歩道優先設計となっている。
 
ニニ八公園は数字の228であってカタカナのニニハではない。
どうやらいつぞやの二月二十八日になにやらの事件があったとか何とかでそんな名前が付いたようだ。ネガティブなネーミングに驚愕したりしなかったりもしたが原爆ドームよりもマシかぁなんて思いながら、私の目標は太極拳だけではなく、その公園内にある国立台湾博物館も見てみたいと考えていた。ガイドブックに出ていた建物の外観が激しくかっこいいと感じたからである。博物館などは普段は行かないのだが、台湾の歴史を知るためにも行っておきたいスポットだ。
 
昨日、夜市に行った時と同じように青いコイン状のものを駅で購入し改札を通り電車に乗った。昨日とは反対の南に向かって電車は進む。
「台大医院」と言う駅で下車した。この駅名も日本語読みで「ダイタイイイン」と読むからきっと大体良いんではないかと考える。駅の階段を上がり右に曲がると目の前にニニ八公園は存在した。
季節は2月。台湾と言っても少し寒い。雨。早朝ではない。
それらの条件が見事に折り重なり、そこにあるのは

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――誰もいない公園
 
太極拳も崎陽軒も太陽拳(天津飯バージョン)もカンニングモンキー天中拳も
緒方拳も高倉健も志村けんもステーキけんもそこには無かった件。
そして僕は途方に暮れるかどうかは大沢誉志幸が決めればいいことだと思っていたが、この場合に関しては私は途方に暮れるしかないのである。しかし、ベンチに座るにも雨で濡れていてそれすらできない。仕方なくウロウロするとなにやら赤い建物が見えてきた。
 

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昨日の行天宮みたいな色調だがこじんまりした建屋があったので近づいてみると、軒下でバックパッカー風味のお兄さんが寝ていたので君子危うきに近寄れないため雨宿りもできない。
よりどころを失くした私は頼みの綱の台湾国立博物館を探すことにした。
公園内を歩いていると公園内地図を見つけたので行先はすぐにわかった。ここより南にあるらしい。誰もいない公園を一心不乱に博物館目指してほぼ直線に歩いていくとあっという間に博物館についてしまった。
 
つづく