東京ハードボイルド

インターネットを使い始めてからもうすでに20年以上の月日がたっていると考えるとなんだかぞっとする。

年賀状をかれこれ10年以上出していないが、今になってそのぬくもりを思い出したりもする2018


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と言うことで新年と言えば年賀状なんて言うものを目にすることもしばしば。私はかれこれ10年以上も年賀状を一枚も書いていないというこの体たらく。

それにしても紙の年賀状の存在意義がいまだに議論されたりされなかったりの状況で思い出してほしいのが、パソコン用の年賀状作成ソフトのパッケージ版と言う、限りなくカセットテープレベルに存在意義が無くなってしまった存在があることを少しの間思い出してみてほしい。

年賀状作成ソフトと言う名のお年寄りホイホイ

私はかつてパソコン教室のインストラクターを派遣バイトと言う特殊な立場で就業していた。

パソコン教室のインストラクターと言うと、たいていの場合ワードやエクセルと言ったソフトの資格を持っていることが前提としてなしえることのできる職業だが、私はそういった資格もないままなんとなく派遣会社の言うなりにそのバイトを3カ月ほどしていた。

始めは不安であったが、意外なほどに資格がなくとも十分教えることができた。
タイミングとしてはまさに年末だったこともあり、年賀状作成ソフトの使い方を教えるという授業も担当した。

筆王のおばあさん

三鷹から来たおばあちゃんは年賀状ソフト「筆王」を購入して、そのソフトを使いこなしたいということで教室へ来た。パソコンは数カ月前に購入して基本的な使い方は理解しているようだが、それ以上ではないということで、年賀状ソフトのインストールもお孫さんに頼んでやってもらったという。

早速おばあちゃんにレクチャーすることになるのであるが、パソコンの電源を入れてソフトを立ち上げ説明を始めると、おばあちゃんは何やら手帳を出してきた。

そして、私の説明を事細かく書き始める。メモしやすいように私もゆっくりと説明していく。

ふと、おばあちゃんの手帳をのぞいてみると、

めちゃくちゃ字がきれい。

達筆である。

 

。。。

手書きで書けばいいのに――


そのおばあさんはあっという間にソフトの使い方を覚えて教室を後にした。字がきれいな人は記憶力もよかったということである。

 

筆まめのおじいちゃん

とても背の高い白髪が美しいおじいさんが来た。背筋も曲がっていないし、お年寄りの中でも若々しい方だった。

そのおじいちゃんは自分のデスクトップパソコンを持ってきた。ノートパソコンを買えばいいのであるが、そういうのがよくわかっていないようだ。

年賀状を自分でパソコンで作ったことがないが、200人ぐらいに年賀状を出さないといけないらしく、今年は秘書がいないので自分で頑張るとのこと。

秘書。どうやら偉い人だったのかもしれない。

持ってきたソフトは筆まめである。

丁寧にソフトの使い方を教えながら雑談をした。

おじいさん「先生はこのお仕事は長いんですか?」

私「いえいえ、臨時講師みたいなものですよ」

おじいさん「いやぁ、本当に丁寧でわかりやすいですよ」

私「ありがとうございます」

そんな感じでとても気の合う人で、その後何度も教室に足を運んでくれた。
毎回来るたびにおしゃれな服装で、高級そうな眼鏡をかけていてダンディなおじいさんだった。しかしいつまでたっても紙袋を二重にしてデスクトップパソコンも持ってくるという、謎の効率の悪さを発揮していたので聞いてみた。

私「なんでノートパソコンにしないんですか?」

おじいさん「変えたいんだけどデータがこの中に入ってるからねぇ」

なんということだ。想像もしていなかった角度からの問題提起がやってきた。

話をよく聞くとどうやらUSBメモリやらそういった記憶媒体の存在を知らないようであった。早速USBメモリを購入しておじいさんにプレゼントして、データを取り出す方法を教えた。

翌日、おじいさんは新しく買ったノートパソコンを持って教室に訪れたのでデータの移行作業を手伝った。帰り際におじいさんはおもむろに鞄をまさぐって何かを取り出した。

おじいさん「先生、今はお給料いくらもらってるの?」

私「えっ?給料ですか?時給千円ですよ、安いでしょ(笑)」

おじいさん「時給二千円出すから私の専属にならない?」

私「ほんとですか!でも、まだ契約期間が残ってるんで、ちょっと考えてもいいですか?」

おじいさん「わかった。じゃぁ名刺渡すからその気になったらここに連絡してきて」

おじいさんは名刺の裏に携帯の電話番号を書いて私に渡して、颯爽と帰っていった。

次の授業が差し迫っていたので、名刺をそそくさとしまって準備をしてその日を終えたが、翌日になってなんとなくその名刺を取り出してみたら名刺の表面の内容に驚愕した。肩書がすごい。

「○○信託銀行 副頭取」

――

どうやらすごい人だったようだ。秘書に今までやってもらっていたという言葉の意味がようやく分かった。

結局、契約期間が終わっても連絡することはなかった。給料二倍は魅力的だったが、期待されているほどのパフォーマンスができる気がしなかった。あのおじいさんは元気にしているだろうか。立ち居振る舞いから立派な人だった。

 

筆ぐるめのおじいさん

筆ぐるめを購入して持ってきたおじいさんは筆ぐるめを使えるようになりたいだけではなく、贅沢なお願いをしてきた。何やら自分で撮影した写真をパソコンに取り込んで加工したいとのこと。

「おい、じいさん、そいつあぁ、ちょっとハードル高いんでないかい」と、言ってしまいそうになったが、この教室ではそこを教えるにはちょっと時間がなさすぎるのである。

流石に筆ぐるめを教わろうとしている人にアドビフォトショップを教えるのは次元が違うしなぁなんて思っていた。

しかし、このおじいさん、あっという間に筆ぐるめの操作を覚え、今まさに年賀状を印刷する状態である。

おじいさん「ところで写真のデータ持ってきてるんだけど」

私「え、じゃぁそれみて見ましょうか」

おもむろに差し出されたUSBメモリを開くと大量の風景写真があった。しかも、プロ並みに綺麗な風景画像である。

私「あの、これ自分で撮ったんですか?」

おじいさん「うん、仕事でね」

私「お仕事なにされてるんですか?」

おじいさん「あ、写真家だけど」

私「え、プロカメラマンなんですか!」

おじいさん「そうなのよ、デジタルカメラに変えたけどデータをどうしたらいいかわからなくてねぇ」

話を聞くとなんと某有名大手出版社の専属カメラマンで有名な雑誌などにも掲載しているらしい。若いころに撮影した芸能人の名前を自慢げに教えてくれた。

知りたかったことが写真をフォルダ内で整理する方法とか簡単なデータ取り込みだったので、それを教えてあげると子供のように喜んでおじいさんは教室を去っていった。

 

この時期であった人達のことはすごく鮮明に覚えている。その後インストラクターをすることは一度もない。短い期間だったがパソコン教室のインストラクターは楽しかった。

私の年賀状に関するエピソードはこのぐらいである。

おすすめの年賀状作成ソフト

そんな私が年賀状作成ソフトとしてお勧めするのはどう考えても郵便局の年賀状作成アプリである。

はがきデザインキット2018

yu-bin.jp

まぁ年越ししてからおすすめされてもあれだとは思うが、無料で使えて用途も未知数であるから知っておいてほしい。

ウェブブラウザ上で使えるもとインストールしてローカルで使えるものとスマホで使えるものと、かなり優れている。
毎年更新されて操作性も高い。

来年の年賀状はこれで間違いない。

年賀状が値上げする

テレビでもCMが流れているのであるが、2018年1月8日からは年賀状に10円切手を貼って使えということになっている。

www.post.japanpost.jp


郵便局の奴らのさりげなく値上げするのが当たり前と言った感じで普通に値上げしてくるやり方に驚きの色が隠せないが、需要が無くなったオワコンである郵便の単価を上げるのは経済的システムとしては仕方がないということも理解できる。

問題は10円切手と言うこの先使い道に困る切手を購入するということである。きっちり何枚使うと決まっていればいいが、メイビーな状態での購入の際とかを考慮すると10円切手を余らせてしまう可能性は少なくない。その先の人生に引き出しの隅に使わなくなった10円切手が1枚だけ何年もネクストバッターズサークルで立膝で待っている7番バッターみたいになるのは、何やら物悲しいことである。

 

年賀状が届いた。

毎年年賀状は一枚だけ来ていた。以前通っていた歯医者からのお伺いの年賀状である。

もちろん、私は年賀状など出さない。年賀状にそれほど意味を感じていない上に、友達も知り合いもいない。年限関係が希薄だからだ。五日無くなる文化だと思っていたが、案外とこの先に残っていく文化かもしれないと今年の正月に急に思った。

今年は年賀状を出せるべく出会いがあればいいのであるが、どちらにしろ一期一会である。

yu-bin.jp

 

 

 

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