東京ハードボイルド

インターネットを使い始めてからもうすでに20年以上の月日がたっていると考えるとなんだかぞっとする。

昔、書き記した怖い話を再利用して一つ記事を書いてやろう的な怪談


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数年前にちょろっと作ってみた怪談系の文章を発掘した。

冬であるのだが怪談を披露しようと思ったのは、まぎれもなく

トランプ大統領と安倍総理の会談からの着想であるという悲しみ。

逃毛

10年以上前に私は大型リサイクル書店の店長をしていた。

その日は昼間に不動産会社から依頼を受けていた出張買取に向かった。
小さいアパートで住人が夜逃げしたあと放置されたものの中に
本がたくさんあると言うことで買取の依頼を受けた。
どうやらいなくなった住人は理容関係の人間だったらしく
ヘッドマネキンがいくつか並んでいて薄気味悪い部屋だった。
大量のヘアカタログとファッション関係の専門書を買取店に戻った。
買取ったものはアルバイトスタッフに売場の棚に出すように伝えて
私は溜まっていた事務仕事をしていた。

店の営業時間は10時から深夜12時までの営業だったので
閉店後はアルバイトスタッフを帰して報告書を作ったりと
一人で残業をすることが多かった。


深夜1時、バックルームのパソコンの前で売上データを作成していたところ
売場から物音が聞こえてきた。
何かが落ちる音がしたのだが、本が棚から落ちることはよくあることだ。
その時も気にしないで作業を続けていた。
いつもより遅くなったが、作業が終わって帰宅する準備をしていたら

また本が落ちる音が聞こえた。

妙に気になって見に行ってみると
趣味のコーナーのヘアカタログが一冊床に落ちていた。
なんとなく拾い上げてみると本の間に何か挟まっている。
 
本を開くとそこには
 
大量の長い髪の毛の塊のようなもの
 
が挟まっていた。
買い取る時にチェックしているはずなのに売場に出ている本に
こんなに挟まっていることはありえないのだ。
 
思わず驚いて本を床に落とした瞬間にその髪の毛の塊は
 
物凄い勢いで棚と棚の隙間に消えて行った。
 
眠くて仕方がなかったのでなかったことにして帰宅したのだが
まくろくろすけは実在する。

飛び降りマンション

彼は13階建のマンションの11階に住んでいた。
ある日そのマンションで明け方に飛び降り自殺があった。


朝、ベランダから下を見ると警察がチョークで書いたと思われる
人の形をした線があった。
刑事ドラマの殺人現場でよく見るようなそれである。
なんだか気持ち悪いと思いながら仕事へ出かけた。

夜に帰宅してなんとなくまたベランダに行って
ふと下を見ると朝に描かれていた人の形のチョークの線は無くなっていた。
事件の風景が少し日常に戻っていたのでほっとした。

また、飛び降りがあったらいやだなぁと思いながら上を見ていた。
ふと気配を感じてまた下に視線を落としてみると
人の形のチョークの線があったあたりに

チョークで書かれた目がこっちを凝視していた。
 
翌週引っ越したとのこと。