東京ハードボイルド

インターネットを使い始めてからもうすでに20年以上の月日がたっていると考えるとなんだかぞっとする。

3年前に台北に行ったときのこと 第九章 坂本龍馬


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 これは3年前に台湾へ行ったことを電子書籍化した文章を、ブログ用に追記、校正したものである。全部で十三章になっている。

前回までのあらすじ
40歳になる前に海外旅行へ行ったことないおっさんが、台湾へ一人で行こうとしてパスポートを取ったりする。航空チケットやホテルの予約などに奔走し、ようやく空へ飛び立つ。台湾に到着後ホテルへ向かい、すぐに観光に出かける。まずは行天宮に向かって人の多さに圧倒される。その後、近くにある占い横丁へ向かい占いを堪能し、腹が減ったので夜市へ向かうことに。夜市では思った以上に食文化の違いにカルチャーショックを受け、結果日本食の定食屋で夕食を食べ、翌朝の朝食を買うためにコンビニへ向かう。無事に朝食をゲットして翌朝、ニニ八公園へ向かうことにしたが、雨で誰も公園にいない。国立博物館へ向かう。博物館を堪能して総統府と台北駅に立ちよったが昼になり腹が減ったので小籠包を食べるためにさらに歩いた。しがし、小籠包をあきらめさ迷い歩いた先でラーメン屋に入る。

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第九章 坂本龍馬

「イラシャリンセー」
なんだかちょっとおかしい掛け声が聞こえてきたのだが、まぁ坂本竜馬を看板に掲げる店だからおまんら許すぜよとヨーヨーをセーラー服のポッケにしまって席に着いた。
よくあるデパートの中のラーメン屋である。
本当に特別な感じは何もない。
客はフードコートほどではないがたくさんいた。
席に着いた私のもとに店員が来てどうやらオーダーをゲットする構えである。
私はこれまでの失敗を踏まえてテーブルに置いてあったメニューを指で挿して注文をした。
「これください」
案の定、日本語は分からないようであったのだが、注文はできたみたいである。厨房に向かってなにやら叫んだので間違いない。
ジャッキー映画でよく見るような感じだったのできっとそうだ。
ラーメンを待つ間、店内を見回してみるといたるところに日本語が書いてある。
  • 日本が絶賛した本格派らーめん
  • バリうまオリジナルもっちり麺
  • こだわりの白湯スープ
そのように記載しているのだがやはり坂本竜馬は関係ないよねと、誰かに言いたくてしょうがない気持ちでラーメンを待った。拉麺の夜明けぜよ。
テーブルに思った以上に早くラーメンは運ばれてきて、日本と同じように割り箸を割ってラーメンを食べる。
ん、これは!
 
なんと普通のラーメンである。
 
何の変哲もないラーメンだ。
坂本竜馬だから土佐のカツオブシでも使った魚介系かと思ったりもしたが、全然そんなこともない。鳥ガラしょうゆラーメンなのである。ラーメン通以外も唸らせる、台湾ラーメン
さすがは本場。?
空腹の割には猫舌が邪魔をして意外にゆっくりラーメンをすすり、何とか餓死を免れることに成功した私はお会計へと向かった。
 
レジではなにやらたくさん言語を浴びせられて、もう二度と来ることもないのにスタンプカードを作成してもらい、指定の金額を払ってそそくさと店を出た。スタンプカードにも偉そうに腕を組んだ坂本竜馬があさっての方向を見ていた。
 
日本の夜明けぜよと言わんばかりに台北を眺めているのである。
空腹を解消できたことで俄然やる気が出るかと思いきや、すでに台北の街にトラウマを抱きつつあった私であるが、わざわざ台湾まで来ているのに何の爪痕も残せないままホテルへ戻るのは、島津ゆたかが許さないに決まっている。
一度でいいからあなたの肌に爪を立てたいに決まっているのである。
 
デパートを出るとデパートの隣にニトリがあった。
こんなところでもお値段異常なのかしらと思いつつニトリの看板を見上げていると、デパートの看板にカタカナで「サウナ」と記されている。どうやらこのデパートにはサウナがあるようだ。
サウナと言えば京橋のグランシャトーか千日前のアムザ1000と大阪人なら相場は決まっているのだが、すでに大阪人ではなくなってしまった私ならおそらく問題ない。

亜太三温暖と言う謎の施設

台湾へ行くことを決めた時にネットでいろいろな情報を穿っていた。観光はもちろん、困ったときに役立つ施設だとか普通の旅行情報をガイドブックも見ながら探していた。
初めての海外旅行だから初めてのこともできればしてみたい。そんな時に見つけたのが台湾のあかすりだとかマッサージだ。こう見えても私はマッサージに行ったことがない。物凄く肩こりなのだが人に体を触られるのが苦手な、根っからの敏感湯上りたまご肌なのである。
 
そんな自分を克服することもできるかも知れないので、マッサージを体験してみようと思いマッサージ情報を探っていた。
そんな時に、何処の誰が書いてるかわからないが台湾旅行の情報があった。
その情報には「サウナでマッサージ」の文字が躍る。
軽い感じではあったがサウナとか行ってみようかなと思っていたことは、紛れもない事実なのである。サウナはこちらでは「三温暖」とかくらしい。このデパートの15階にあるようである。私は意を決してエレベーターに乗った。
 
そのエレベーターに乗っているのは私一人だけである。
15階にあるサウナを目指しているのであるが、日本でもサウナに行ったことのない私はサウナの作法など知らない。知らないからこそ体験すると言う選択が保守派の私にとってはどれほどの、冒険であったかは保守派のあなたにはお分かりいただけると思う。
扉が開いたらまるで高級クラブのようなエントランス。
もちろん高級クラブは行ったことがないので想像上のたとえである。
なんだか異世界のようなその空間を奥に見えるカウンター目指して歩みを進めると、カウンターにはきちんと制服を来たカウンター嬢がいた。
全然関係ないがカウンターレディの時給の良さを見ると、来世では女性で生まれようと思うことは少なくない。
 
案の定、物凄い勢いの中国語でカウンター嬢に何やら言われたのだが、私が返答した答えは「ハウマッチ?」である。しかし、ハウマッチが聞き取れなかったのかそのあとも何言っているかわからない言葉が返ってくる。
確かに今のハウマッチはシブガキ隊の名曲「スシくいねぇ」の
「おやじハウマッチ?」の部分に匹敵するほどの発音音痴であったが、それくらいニュアンスで理解していただきたいところである。日本人客を逃すのは得策ではない。
そんなことを考えつつカウンターの上を見ると料金表みたいなものが見えた。700元と書いている。どうやらお支払が可能な金額と相成ったので、訳のわからん説明を続けるカウンター嬢に向かい「OK牧場!」と元気に言い放って金を出そうとすると、どうやらお金は後でいいと言うジェスチャーをしてきたのでオーケーオーケーとジェスチャーで返しておいた。するとどこからともなく色の黒いおっさんが現れて私に向かって
こっちこいと手招きしてきた。
靴を脱げとこれもジェスチャーしながらの説明を受けた。
 
どうやらこの靴を預かることで金を払わずに逃げれないと言う第一の仕掛けを張っていると言うことのようである。実に幼稚な作戦だが巧妙な施策である。
鍵を渡されロッカーで服を脱ぎロッカーの中にあったタオルを腰に巻いて、周りのおっさんが進んでいく方角についていくと、銭湯の入口のようにガラスの引き戸があり、中に入るとそこは大浴場となっていた。
引き戸の奥に入ると眼前には25mプールと同等の大きさの大浴槽があり、右側にサウナルーム、その横に蒸気ルーム、またその横に冷却ルーム、大浴槽の横には水風呂があった。
中に入っているのは、おじいさんが数名と肉体労働系のおっさんが数名である。若干のホモセクシャルも交じっている感は否めない。私のような日本人観光客風な人は一人もいない。場違いの心地よさを堪能できるではないか。平日の午後だからかなのか人は少ない。
 
つづく